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千光寺山門 2013.4.7
葷酒(くんしゅ)の山門に入るを許さず

千光寺山門

千光寺山門 附.山門棟札一枚、山門棟上一巻覚帳一冊
(せんこうじさんもん つけたりさんもんむなふだいちまい、さんもんむねあげいっかんおぼえちょういっさつ)

平成12年12月7日・市指定
砺波市芹谷

 千光寺棟札によると、寛政9年(1798)第六四世行遍の代に棟梁井波大工の柴田清右衛門により建立されました。間口3.8間(6.9m)、奥行2.3間(4.2m)、本瓦葺き、総欅(けやき)造り、禅宗様形式の三間一戸(さんけんいっこ)(門正面の柱間(はしらま)が一つの場合が1間、3つの場合が3間。通行できる出入り口の数を1戸、3戸という)二階二重門で、この形式のものとしては富山県下に残る最も古い山門です。

 参道に向かい西面して建ち、1階正面には阿形(あぎょう)、吽形(うんぎょう)の金剛力士像(仁王像)各1体が安置され、扉には欅の1枚板を使用しています。2階へは山門内の東南側に設けられた急角度の階段で上り、山廊(さんろう)はない。2階は幅90pの回縁(まわりえん)を巡らし、内部には釈迦如来と大迦葉(だいかしょう)尊者、阿難陀(あなんだ)尊者の三尊像と十六羅漢像が安置されています。屋根を支えている垂木(たるき)は、和算を応用したと考えられ、1階は直線的、2階は扇状に広がっている点に特徴があります。

 二階二重門は、県内には瑞泉寺、瑞龍寺、善徳寺と当寺の4ケ所しかなく、この形式の門としては県内最古の建物であり、保存状態も良好で、幕末の装飾的な形式へ移る過渡期の時代的特徴を備える、江戸時代後期の代表的遺構として貴重な建物です。

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アクセス
砺波ICから車で20分

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