鉢伏の不動明王石像(はちぶせのふどうみょうおうせきぞう)
昭和62年3月30日・市指定
砺波市庄川町隠尾
鉢伏山の峠に金屋の庄右衛門作と伝えられる不動明王(ふどうみょうおう)石像があります。庄川町から旧山田村を貫いて旧八尾町、また砺波市伏木谷、庄川町隠尾へと続く道の交差するところに鎮座(ちんざ)しています。
庄川右岸の山には緑色凝灰岩(りょくしょくぎょうかいがん)の金屋石が採掘され、多くの石工がいました。庄右衛門は栄次郎の本家筋にあたり、金屋石工の元祖的な存在で、砺波市安川の薬勝寺境内に安置されている、三十三ヶ所観音も彼の手によるものです。
この石像は中央に不動明王の坐像、左右に制た迦(せいたか)童子像、矜羯羅(こんがら)童子像、阿弥陀如来(あみだにょらい)坐像、行基(ぎょうき)菩薩坐像といわれる僧形の五尊が刻まれています。この不動明王は上市町大岩日石寺にある国指定重要文化財・磨崖仏の不動明王を模刻したものです。
このような像容は広く中部地方に展開しており、砺波地方にも数多く見ることができます。
砺波市井栗谷の峠にある森川栄次郎の刻んだ不動明王は、鉢伏の不動明王石像と親子の不動様として親しまれています。
なお、この不動明王は伏木谷の人たちによって大切に維持管理されており、毎年9月1日に例祭がとり行われています。
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