<景観に配慮しながら、合理的に暮らす>
2009 年、「なんぶ建築設計」としての独立をきっかけに、土地を新規に購入し、住宅兼事務所を新築した南部稔さん。ご実家は同じ地区。人も風景も小さい頃からのつきあいだ。
南部さんのお宅の特徴は、なんといっても広々としたウッドデッキだろう。子どもから大人までわいわいバーベキュー、可動式の露天風呂では大人たちが「クイッ」と一杯。地べたに座わると、生け垣がちょうど目隠しになって、少々騒いでも周囲を気にする必要はない。「庄川観光祭の花火は、特等席で見られます。酒飲み仲間たちは『今日、風呂ないか?』と必ず聞きますね(笑)」格好のホームパーティ会場のようだ。
もうひとつの特徴は、住宅用と事務所用のスペースがうまく区別されており、SOHO(Small Office Home Office)スタイルであるということ。「情報通信技術によって、仕事の仕方は変わりましたよね。私の仕事は、気持ちが乗らなければ殆ど進まないときもあるし、乗ってくれば時間を忘れて没頭します。自分のペースで仕事をするために、家がうまくバランスをとってくれているんです」
建築士として新築やリフォームに関わった経験から、周囲の景観を損なわない色や素材の選び方を教えてくださる。「大きな屋根で、外壁に白と黒のコントラストがあると砺波の風景に調和しやすいです。でも、真っ黒だと安っぽく見えてしまうので、黒とこげ茶を交ぜた色…『黒こげ茶』と命名していますが、我が家にも使っています」とのこと。最近は、地元の業者にも『南部の黒こげ茶』で通じるようになってきたとか。また、外壁の素材は、自然のものがいいという。今、主流の外壁材の寿命は約20年。自然素材ならメンテナンスは必要だが、100年持つ。結果的にコストは安くなる。
洋風建築は、建設コストが安くオシャレに見えるが、砺波の風景には調和しづらい。一方、家の中は、現代人の生活様式や日常の管理を考えると、洋風の方が合理的だ。景観へ配慮しながら、快適に暮らしている南部さんのライフスタイルには、多くの若者が憧れるに違いない。
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