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黒田 信一(くろだ しんいち) 2013.4.5
砺波市立図書館にある「EXPOSURE」を代表作とする“絵画的空間志向画家”

黒田 信一

 1918年砺波市生まれの黒田は、41年に富山師範学校を卒業し、同校で曽根末次郎に油絵の教えを受け、また教職に就いてからは、同郷の洋画家川辺外治の指導を受け、53年に創元展に出品して以来、同展を主な発表の舞台に県内外で作品を発表している。その長い活動歴を作品からふり返ると、初期には風景や人物を題材に、渋い色調のなかに対象をとらえようとする堅実な内容の仕事があり、また音楽に関連した作品が多くあることが、この時期の作品の華やかさを印象づけている。やがて、その表現はものを把握する具象表現から、抒情性を加味した半具象へとゆるやかな移行をみせ、1980年代以降、≪絵画教室≫、≪EXPOSURE≫、≪INTERFACE≫とそれぞれの相次ぐ連作の発表により、半具象から、この画家独自の非具象表現の追求へと画風は変化してきました。そして90年代半ばからの≪風景≫と題したシリーズでは、画家のみる幻影と身ぶりとが混交した、密度ある表現でこの画家の新たな局面をのぞかせている。


作家年譜
1918年(大正7年)砺波市宮丸生まれ。
1950年(昭和25年)川辺外治先生に師事。
1983年(昭和58年)「EXPOSURE」となみ野美術展大賞受賞。
1991年(平成3年)「郷土作家シリーズ2黒田信一展 」(アートスペース砺波)。作品集刊行。
2004年(平成16年)「風景」となみ野美術展大賞受賞。
2005年(平成17年)「郷土作家シリーズ7黒田信一展 形象のはざま」砺波市美術館

1940年代〜1970年代:可能性としての絵画探究

 ≪赤い靴≫(1979)では、少女の履いた靴の赤色が印象的だが、画家の内省的な絵画空間への志向はより深みをもって表されている。モデルは画面空間に身を委ねて、音楽的なムードを高めている。これもまた、絵画的空間の追求のひとつと捉えられる。本作で黒田は、第38回創元展で会員賞・鈴木賞を受けている。                                           

1980年代〜2000年代:自己の絵画様式の確立

 砺波市立図書館にある≪EXPOSURE≫(1985)も一度見たら忘れがたい、抒情に満ちた作品である。人物を思わせる二つの形象が隣り合い、互いに支えあい、手を合わせているような状態で静止して、その周りには茫洋とした空間が広がっている。微妙な色の調子を配した画面は、ふるえる情感を持ち、優しい空気に満ちている。                                           

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