正倉日記

 

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いかるぎの大橋

2016.1.29

【2016.01.26Facebook記事より】

2016.1.26 北日本新聞より

2016.1.26 北日本新聞より

今朝の北日本新聞に国道359号に建設中の「いかるぎの大橋」(仮称)のことが載っていましたね。【いかるぎの】という古い地名が現代に蘇ることはとても喜ばしいことです。
しかし、そもそも「いかるぎの」って何?という方もいると思うので、簡単に説明しておきましょう。現在の砺波市の地名には「いかるぎの」は存在しません。いつ頃の地名かというと奈良時代、1250年も前のことです。

 ちなみに「伊加流伎野」と書きます。これは荘園の名前です。荘園とは寺社や貴族の所有地のこと。かつて、奈良時代には砺波市の頼成や徳万、権正寺あたりには「伊加流伎野荘」という奈良東大寺の荘園が広がっていたのです。その荘園は天平21年(749)の詔書(天皇の意思表示の公文書)によって成立したと考えられます。天皇からのお達しで成立した伊加流伎野荘でしたが、あまり開拓されることなくその役割を終えたと考えられます。その後、伊加流伎野という名は歴史の舞台から消え去ってしまいます。

 そして、21世紀のいま、「いかるぎの」という砺波の歴史上重要な名前が復活しようとしています。せっかくですから橋の欄干やモニュメントにぜひ古代荘園に関するモチーフをあしらってもらいたいものです。皆さん、いかるぎの大橋が完成したあかつきには、ぜひ歴史に思いをはせながら車を走らせてみてください。いつもの景色と違って見えてくるはずです。