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D製品改良の方法

2014.5.27

1、素麺検査規程

第一条 本規程は本村特殊の物産素麺に検査を施行し、該品の改良統一を計り租製濫造を防遏し専ら需要者の信用を保持するをもって目的とす。

第二条 検査は生産検査、販売検査の二種とす。

第三条 検査員は庄下村農会技手および組合員中素麺製造の経験ある人に嘱託す。

第四条 検査員は組合長これを嘱託す。

第五条 素麺製造は手延にして毎年十一月より翌年三月末日までとし、生産検査はこの製造期間において執行す。

第六条 販売検査は毎年六月より八月末日までとす。

第七条 生産検査は調査員が生産者の各工場において、製品を千板一枚につき三把ないし五把を抜き取り品質量目を調査し、箱詰めは一箱ごとに品質量目を調査し、標準品と対照し良否により第八条の規程に準じ、一把ごとに、一箱ごとに検証を捺するものとす。

第八条 素麺の等級は下の六種に区別す。
  銀世界乃糸(梅花印)、名誉乃糸(小判形印)、旭雪乃糸(旭形印)
  越雪乃糸(六花印)、松雪乃糸(松葉印)、霏雪乃糸(笹葉印)

第九条 販売検査は第六条中の期間において、検査員は生産者の蔵置場あるいは組合倉庫において俵詰、箱詰の上、中、下三ヶ所各一把ずつ抜き取りこれを調査し、品質量目に異動なきにおいては、第八条の規程により巻封に検証を捺するものとす。

第十条 組合は検査員の記録したる検査の事項を、素麺検査簿に登録し素麺検査成績表を作製するものとす。

第十一条 本組合員は検査を経たる素麺に不正の行為をなし、あるいは検査を経ずして販売し、または販売を委託することを得ず。

第十二条 組合員前条の行為を犯したる時は、理事、監事、信用評定委員会の決議により、相当の違約金を科しまたは定款第八十四条の規程を準用す。

第十三条 検査員にして不正の行為ありたる時は直ちに嘱託免嘱す。

第十四条 素麺検査標準は別に規程を設く。

第十五条 本規程は大正九年一月よりこれを執行す。

2、素麺検査標準規程

(1)原料小麦粉標準
名  称 ・  使用小麦粉数量 ・ 粉上り高  ・挽返し度数
銀世界乃糸・一石に付正味四十貫立・三十貫二百匁 ・挽返し四回
名誉乃糸 ・同         ・三十貫五百匁 ・挽返し四回
旭雪乃糸 ・同         ・三十一貫匁  ・挽返し五回
越雪乃糸 ・同         ・三十一貫六百匁・挽返し六回
松雪の糸 ・同         ・三十二貫匁  ・挽返し七回
霏雪乃糸 ・同         ・三十二貫匁  ・挽返し八回

(2)製造法の標準 銀世界乃糸職人一人一日の工程十五把、名誉乃糸 同 二十把、旭雪乃糸 同 二十五把、越雪乃糸 同 二十八把、松雪乃糸 同 三十把、霏雪乃糸 同三十把

(3)原料小麦 一、北海道 二、地方産 三、その他

(4)使用塩 一、西国塩 二、能登塩(関東塩を禁ず)

(5)使用油 一、綿実油 二、種子油(粉付けを禁ず)

(6)乾燥標準 
一、架干 晴天の日風気に干し上げたるもの。
一、空架干、雨雪の日工場内にて炭火に掛け煽り干したるもの。
一、玉干 干板い並べ上下転換して晴天五日以上干すこと。
一、俵箱干 立春および梅雨前後において俵詰のまま晴天二日以上宛干すこと。
一、ボール箱詰 箱のまま玉干および俵干の標準によりて干すこと。

(7)量目
一、玉素麺は一把の目方、標規の乾燥を遂行したる後正味にて一百匁、ボール箱詰は箱皆掛三百匁なること。
一、切素麺は一把の目方十五匁、木箱入一箱正味四貫八百匁、ボール箱詰は箱皆掛三百匁なること。

(8)仕立荷造法
一、玉素麺の包紙は組合より交付したる印刷の標証あるもおなること。
一、切素麺の帯紙は組合より交付したる印刷の標証あるものなること。
一、束把の輪縄は二重巻きにて捻込みとなすこと。
一、ボール箱詰は組合印刷のレッテルを貼ること。
一、切素麺の木箱詰は組合印刷のレッテルを貼り蓋を釘付けとして太縄にて二重二ヶ所角詰となすこと。
一、俵詰は四十把詰にて中に藁を入れ縄にて口蓋を掛け二重巻にて一ヶ所締とし一重の縦縄を掛けること。
一、俵の詰藁は古藁を用ゆること、若し止むを得ざる場合は新藁を解きて晴天に二日以上乾燥して用ゆること。



【庄下村誌編纂委員会『庄下村史誌』より抜粋】