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五郎丸(1月〜4月)

2015.1.27

1月

正月
(1月1日)
初詣・・・神仏参りをする。
元旦の日は掃除は一切しない。
家長が近所の年始廻りをする。
朝食
雑煮を作る。
白角餅で朝食の雑煮は仏教国の為、煮干し等、魚類のダシはとらず、せいぜい昆布位の出し。(現在は肉等で)
雑煮は豆殻で炊く。
雑煮を炊いてしまうまで、囲炉裏の火で足等をあたためてはいけない。
黒豆の煮豆
朝食後はお茶と干柿、ミカン、勝栗を食べる。豆で働き、勝栗の様に丈夫で、柿のカキを意味しカキ取る様に働く様にとの意味で。
昼食
煮豆、おすあえ、煮〆
夕食
煮〆、大根ナマス、ブリ焼、カブラずし等。
お正月は餅を食べるせいか大根のジアスターゼで消化をよくするため、生活の知恵で大根料理が多い。

(1月2日)
書初・・・仕事始めとして家の中を全部掃除する。
昨日とよくには食べ物で、年末に作った大根と油揚を炊いたものとか、焼豆腐、里芋、人参等の煮物。


6日大とし (1月6日)
12月の大晦日の日の様に掃除等を丁寧にする。
お正月食品として大きい鍋で作った、煮物、煮豆、酢の物を、不足しだしたものを追加して作る。

(1月7日)
五郎丸は厄年の人の宮参り日。
戦前は25才、42才、61才の男性のみお宮参りをしていたが戦後は33才の女性、61才の女性も加わり、各年代別にお鏡、お酒、みかん等をお供えし、神主さんにお祓いをして頂いた後、各年代、各場所をかえて酒杯をあげて祝う。
神様、仏様のお鏡をおろして雑煮にして頂く。

起舟(1月11日)
納屋と倉のお鏡をおろす。

左義長(1月14日)
日中小学生達が民家の竹、藁等を雪の中集めて左義長を大きい人に作ってもらい、2日の日に書いた書初を学校よりもらって来、竹の先につけて焼く。書初の灰が高く上がれば本年は字が上手になるといい喜んだ。もえ残りの竹で箸を作り、それでご飯を食べると歯痛にいいとか、また夜中火の番と共に子供達は家より持ち寄った餅を焼いて食べる。
 
さつき(1月15日)
今日は早く起きないと5月の田植のさつきにも寝坊になる為、早く起き田んぼのふちへ行きカモを追う。
子どもの頃カモもみなかったが大声で『カモホイ、カモホイ』とカモを追った。
囲炉裏では昨日より用意されたハリの木の生木を炊いて、小豆ガユを炊いた。その煙で顔をなでると若返りになるといって、煙を手にとり顔をなでた。煙マッサージでしわが伸びるとか。
小豆ガユ
米の粉でダンゴを作り、丸い形のものはタニシ(田主)、長い形は稲穂、平丸い形は稲株という形のものと、米と小豆を入れご飯になったものとで、小豆ダンゴの粥を作って食べた。現在はおしるこ。

(1月16日)
浄土真宗お西の寺参り日。

 天神講(1月25日)
天神様をかたづける。天神様にお頭づきの魚とご飯をお供えし、お鏡を焼いて食べる。

2月

迎え正月(2月1日)
山の正月ともいい、気分的に休む。

節分(2月3日〜4日)
豆まき 子供達は画用紙で鬼の面を作り、それをかぶり豆まきをし楽しんだ。

火まつり(五郎丸)(2月7日)
何時どこが焼けたのを機会に始まったのか、不明だが(その為、現在はなくなった) 長さ3尺位、巾1尺、厚さ2寸位のケヤキ板に廻り順の名前が書いてあり、それを火の番帳といい、2日半ずつあかり1年で五郎丸を1廻り出来る様になっていた。
小豆のご飯を炊いて神仏に供えた。お酒は新しいビンの口を取り、囲炉裏の神様にも、シュットあけお供えをした。

3月

ひなまつり・節句(3月3日)
おすし等をして祝い、数日前よりかざったおひな様には、赤・白・緑のひしもちを作りおひな様にお供えをする。昔は全部自家製の米で自家製の餅。

4月

4月8日
おしゃか様の日 旧暦の4月8日に、つる豆をまくとアリがつかないと言った。

種播きぼん(4月16日)
よもぎをつみ、タンサン、木灰等であくを取り、よもぎ団子を作った。
もち米の粉を団子にまぜ、あちこちの家で餅つきの音がした。
団子があおくなれば、苗代もきれいな芽が揃い、いい苗になると草餅作りをした。
よもぎ団子

春祭り・五郎丸お祭り(4月19日)
獅子舞はお宮様を舞い、秋祭りは各家を廻ることがある。
自家製の手料理で、御膳、お椀等も自倉等から出し、仕出し等はとらなかった。
酢の物等は葱のぬた、ひともじ和え等、焼物も囲炉裏に石の魚焼、すなわち魚のくしのさせるものを入れ、串にさした魚を焼物にする。



【のぎくグループ編集 『砺波のものごと12カ月』昭和55年より抜粋】