砺波ライフスタイルブック

 

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1 先人たちを敬い、対話しながら住まう(その1)

2013.3.26

文化人や茶人たちも愛した、人との対話から新たなエネルギーが生み出される場所

先人たちを敬い、対話しながら住まう

先人たちを敬い、対話しながら住まう

<人の手をかけて、残し、守り、磨き、使う>
人通りの少ない旧街道沿いにひっそりと佇む遊心亭は、驚くほど豪華で広大で、古民家というより文化財というほうがイメージに合う気がする。アズマダチのオモヤを中心に、離れ、茶室、立派な庭園があり、全部を見てまわるだけで半日はかかってしまうほどだ。
「県内の古民家が荒れているのを放っておけない」と富山市に本社のある株式会社ユニゾーンが買い取り、改修・再生した。研修所として社員のスキルアップやコミュニケーション促進の場として使われているだけでなく、大切なお客様をもてなすゲストハウスでもある。事前予約が必要だが、一般の利用もできる。600人のお茶会が催されたこともあるそうだ。
この家には、前述の企業の社員が住んでいる。住みながら、掃除や管理をするのが仕事だ。「杉苔を傷つけないように、草むしりは手でやるんです」また、「いつお客様が来られてもいいようにきれいに」しておくのだそうだ。まるで、この家に住んでいた先人たちと対話するように朝から晩まで、家を磨く。ここを訪れる著名人や文化人も多い。「価値あるものを最高の状態でお見せするのも、大切なおもてなしだと思うのです」人に見せることのない積み重ねが、人の心を動かすのだと改めて感じた。
「地方の文化や生活を守れ」口で言うのは簡単だが、この企業は違う。実際、こんなに立派に再生している。
さらに、人が使うことを前提として、人の手をかけた維持・管理・活用がされている。常に、中心に人がいるということが、この企業のすごさだと思った。

遊心亭
遊心亭

遊心亭

昭和初期建立の伝統的家屋(アズマダチ)。築90 年あまり。富山市の企業(株式会社ユニゾーン)が家屋と庭園を再生。2009 年1月より、社員研修の場、ゲストハウスとして活用。地域の人々の利用も可能。

お客様用の玄関

お客様用の玄関

お客様用の玄関

6〜9月、襖は簾戸(すど)になる

6〜9月、襖は簾戸(すど)になる

6〜9月、襖は簾戸(すど)になる

  • 10名はゆったりと座れる掘りゴタツ

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    掘りゴタツから外を眺める

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    不思議に落ち着くという茶室