夏のよそおいに展示替え
2015.6.20
夏の着物に衣替え
6月は衣替えの季節、夏の着物に装いも新たに♪
今も昔も6月は衣替えの季節です。砺波民具展示室の衣の部屋もさらっと夏の着物に衣替えしました。
5月までは、「あわせ(袷)」と言われる裏地付の着物を着ますが、6月から9月いっぱいは裏地の無い「ひとえ(単)」を着ます。季節の先取りがお洒落の鉄則なので、今でも袷を着ていると、「あら〜、あの人いまだに野暮ったいもの着ているのね〜」などと嫌味を言われてしまいます。
「ひとえ」の裏地の無い着物と夏用の帯
夏のおでかけ〜♪
着物といえばなんとなく窮屈で暑苦しいイメージがありますが、こんな明るく爽やかな着物を着てお出かけなんてちょっと素敵です。
夏の花と真っ青の空をイメージした大きめな柄、色合いも明るく派手なので、若いお嬢さん、結婚前の娘さんが着る単の着物です。袖の長さもちょっと長めなのは、当時の流行。合わせる帯はシンプルな白い夏帯。写真ではわからないかもしれませんが、レースのように透けているので、暑いといっても想像するほどではないとおもいます。
日差し除けの日傘は忘れずに!汗をダラダラかくのはダメ、そっとハンカチで押さえる程度が着物のマナーです。
見ているだけで、心ウキウキしたお嬢さんの下駄音が聞こえてきそうです♪
涼しく魅せる
装いでもって涼しく見せる×魅せる
単の着物の美しさといえば、「透け感」です。今で言うシースルーです。といっても着物の下に長じゅばんという薄い着物を着るので人の体自体は透けません。でも着物を見ると、重なっているところと、そうでないところが色が違いますよね?それだけ布が薄くて風通しが良いのです。
きっちりと着ているけれど、涼しげに見えるのが「日本の着物の美しさ」なのです。
また、柄も重要です。先ほどのお嬢さんの着物ははつらつとした夏の花をイメージしてますが、こちらは藍色に夏の花や唐草のような葉が描かれていて、落ち着いてしっとりとした雰囲気をかもしだしています。色合いや袖の長さからして、広い年齢層の女性が着ることができます。
いかに暑い夏を涼しげに見せるか、それが夏の装いです。相手が「涼しそう」と見えれば、成功です。見事魅せました、ということです。夏の着物に秋草が描かれていることも多いのは、秋風を想像させ、これから来る季節を想う風流さを感じさせるからなのでしょうね。この日本人的感覚は失いたくないですね〜。。。
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帯も色のトーンを涼しげに、控えめな柄で
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下駄は裸足で履きます。涼しくって下駄音も粋です
- 所在地
- 〒939-1431
砺波市頼成566 砺波市立庄東小学校3F お問い合わせ
砺波民具展示室 または砺波郷土資料館(下記電話は砺波郷土資料館)
TEL: 0763-32-2339