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5(4・5)屋敷林に来る鳥−散居は鳥たちにも多様な生活環境−

2014.10.10

(4)渡りの途中に立ち寄る鳥

ドバトを食うオオタカ

ドバトを食うオオタカ

 散居の環境に留まることなく、1週間前後滞在し、北の方や南の方へ移動する鳥も多い。たとえばヨタカ(夏)、アオバズク(夏)、エゾムシクイ(夏)、センダイムシクイ(夏)、ノゴマ(夏)、ジョウビタキ(冬)、コサメビタキ(夏)、シギの仲間(旅)など。

(5)散居の環境の変遷は野鳥の生息の変遷

 観察例は少ないが、近年オオタカがドバトを捕食した例も記録され、チョウゲンボウも観察されている。昭和30年頃までは川辺の葦にオオヨシキリが鳴き、庭の池にはカワセミの姿がもみられたが、今は山間地等にまれにみる程度となった。散居の環境の変遷は野鳥たちの生息の変遷でもある。

 このように四季を通じて屋敷林やその周辺に訪れる野鳥は、32科55種になったが、これで全てが挙げられたわけではない。迷鳥やまれにみる種は記さなかった。また私たちの目に止まらなかった鳥も多いと推察される。



※注

留鳥 ある地域で1年中生息している鳥
漂鳥 国内を四季により移動する鳥
夏鳥 春に南の国から渡ってきて繁殖し、秋に南へ渡る鳥
冬鳥 秋に日本に渡来し、春に北の国へ渡る鳥
旅鳥 北の国、南の国へと渡る途中日本列島を通過する鳥
迷鳥 台風などに流されて迷い込んだ鳥


【砺波散村地域研究所 『砺波平野の屋敷林』平成8年より抜粋】