住み継ぐ もっと身近に散居村

 

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美観と住環境の未来

2013.3.20

美しい散村の景観や優れた住環境をどのように守り伝えていくか

散居村の風景

散居村の風景

昭和40年代に始まった圃場整備(ほじょうせいび)で散居村の姿は大きく変わりました。小さかった水田は大型化され、曲がりくねっていた道路や水路は直線 状になり、農業基盤の整備が一挙にすすみました。それに伴い農作業の仕方も大きく変わりました。大型のトラクター・田植機・自脱型コンバインなどが導入さ れ、現在ではそのような大型機械を装備した認定農業者や集落営農組織に米作りそのものを委託して、農業を行わない農家も増えつつある状況となっています。

 また、美しい散居村を形成する屋敷林も年々減少しつつあります。電気やガスの普及で、落ち葉を燃料として利用することもなくなり、安い輸入材や合成材の 導入により、建材としてのスギやケヤキが利用されることも少なくなりました。落ち葉の掃除や手入れが大変だとしてつぎつぎと伐採されるのです。

 現代の快適な暮らし方を取り入れながら、どのようにして散居村の持つ自然との接点を生かし、優れた原風景を守っていけばよいのでしょうか。散居村には、 日々の暮らしに潤いと安らぎを与えてくれる癒しの効果があります。また農村の原風景ともいえる景色は、文化的景観としての価値もあります。

 砺波平野の散居村がもつ特性を、未来に投影させて、今後、より具体的に、より創造的に、どう生かしていくかが問われています。