『砺波平野の屋敷林』

  • 築地松
    2014.10.14
    9全国各地の屋敷林
     島根県簸川平野は斐伊川によって形成された沖積平野である。古い地区は塊村であるが、少し東の地区では列村や散村状況を呈している。その開拓の様子は、微高地を選び、「地形(じゅぎょう)」と称する地盛を施して敷地を造成し、さらに屋敷四方を浸水から守るために土手を築く「築地(ついじ)」も行…
  • 安定したスギ中心の屋敷林
    2014.10.10
    8これからの屋敷林
     これからの屋敷林をつくるのにふさわしい樹種を樹木の一般的な特性をふまえて整理すると次の通りである。 植える面積、方位、位置、土の状態、樹木の組み合わせ等を考えながら参考にしていただきたい。◇高木でも20メートル以上に成長する樹木 ケヤキ、ユリノキ、サクラ、アカマツ、クロマツ、ス…
  • 屋敷林のスギ
    2014.10.10
    7緑の効用
     スギ・ヒノキ等の森林にはいると、ほのかで、すがすがしい樹脂の匂いに包まれる。これは、常緑針葉樹のみではなく、落葉広葉樹からも芳香が発散されるものであうr。この本体は「フィトンチッド」と呼ばれている。「フィトン」とは植物のことで「チッド」とは殺すという意味であるという。つまり、植…
  • 2014.10.10
    6(3・4)屋敷林の現状
     砺波散村地域研究所では、昭和61年(1986)庄川扇央部の散居村、砺波市鹿島(かのしま)地区を選び、全戸の屋敷林内の植生調査を実施した(館明ほか)その時の鹿島地区全体の総樹木数は9092本、樹種124種であった。うち、目の高さで直径10センチ以上のものは1542本、83種であっ…
  • アンケート調査結果
    2014.10.10
    6(1・2)屋敷林の現状
     屋敷林に住む人が、散居村や屋敷林をどのように思っているのだろうか。実際に、散居村は住み良いと考えているのだろうか。屋敷林もあるほうが良いのだろうか。このことを知るため、砺波散村地域研究所では平成11年秋、砺波平野の7カ所を選んでアンケート調査を行った。 「散村での生活が良いと思…
  • ドバトを食うオオタカ
    2014.10.10
    5(4・5)屋敷林に来る鳥−散居は鳥たちにも多様な生活環境−
     散居の環境に留まることなく、1週間前後滞在し、北の方や南の方へ移動する鳥も多い。たとえばヨタカ(夏)、アオバズク(夏)、エゾムシクイ(夏)、センダイムシクイ(夏)、ノゴマ(夏)、ジョウビタキ(冬)、コサメビタキ(夏)、シギの仲間(旅)など。
  • 厳冬のキジバト
    2014.10.10
    5(1〜3)屋敷林に来る鳥−散居は鳥たちにも多様な生活環境−
     屋敷林を構成する樹種はスギ、ケヤキの高木から、低木のヒサカキなど、また常緑針葉樹・広葉樹、落葉樹と多様な樹はいろいろな虫を育て、大きな森、小さな森と野鳥たちには多様な環境を提供している。 厳冬の積雪期には、南砺の山々で餌のとれなくなった漂鳥たちや、北の国からの冬鳥たちは散居の森…
  • 農家の家屋配置と屋敷林
    2014.10.10
    4屋敷林のある暮らし
    図は昔のカイニョの様子を一般的なモデルとして図示したものである。 家は冬の強い南西の季節風を避けて東向きとなっている。中心に母屋があり、前に納屋、北側に味噌部屋や風呂場、馬屋、にわとり小屋などの建物がある。前庭には池があり野菜を洗ったり、足を洗ったりする。その前…
  • 長久宅の屋敷林
    2014.10.10
    3(2・3)砺波平野の様々な屋敷林
    スギに囲まれた庭園のある屋敷林長久 敏宅 砺波市東保 長久宅は庄川の東、高速道路が新湊庄川線を横切るあたりに位置する。 家屋は東面を向いた母屋を中心にして、北側に平屋の作業場と車庫・丸太小屋が2列で並び、後方の一角、北西の位置に蔵が配置されている。作業場が平屋建ちなのは籾を乾燥す…
  • 根井宅の屋敷林
    2014.10.10
    3(1)砺波平野の様々な屋敷林
    森のような屋敷林根井仁一宅 城端町西明 根井宅のある西明地区は南砺の山麓に形成された小扇状地上にあり、山地斜面を駆け下りる南南東の強風が卓越する地域である。各戸は卓越風の方向に厚い防風林を維持している。そのなかでも根井宅は屋敷の広さと樹木の多いことで抜き出ている。 家の向きは、こ…