岩黒の不吹堂(いわぐろのふかんどう)
昭和62年3月30日・市指定
砺波市庄川町金屋
南砺地方では、雪解けから5月の初旬にかけて暖かい乾燥した強い南風が吹いたため、山麓の風害の多い村々では、古くからこの風を鎮めるために風神堂(「不吹堂」)を建てて風神を祀(まつ)ってきました。
金屋岩黒(「ケアポート庄川」の西側送電線鉄塔下)にある不吹堂は、その中に高さ40cm、幅25cmの金屋石で作られた石碑があります。前面には梵字(キリーク)が刻まれ、背面には
天 長 地 久 三 辰 清 輝
奉 鎮 暴 風 五 穀 成 就 所
風 雨 順 和 万 国 泰 平
「暴風をしずめ、5穀成就、風雨順和、万国泰平を祈る」という意味の漢文が刻まれています。側面には「般若台芹谷山千光眼寺(現在の千光寺)六四代大僧都行遍が書いたと記され、反対側には、「寛政十一年 (1799)2月、施主示野新邑(村)孫三郎」とあります。
御堂は間口三尺(91cm)、奥行二尺(60cm)。
不吹堂の祭礼は、毎年6月18日千光寺(砺波市芹谷 真言宗)の僧侶によって行われています。
平成10年6月14日には創立二百年祭が当地で開かれました。
岩黒の山頂にある不吹堂を、近年になって、管理や三拝に遠く不都合であるとして、示野地内の松原台地に移した事がありましたが、その途端に大風が吹き続いたので、直らに元の山頂へ遷座したとの逸話も残されています。
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