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安川城 2014.8.18
別名・鬼ヶ城 般若野荘の役人・黒田氏が立てこもった山城

安川城跡

安川城(やすかわじょう)

平成23年1月26日・登録
個人 (砺波市安川字父倉)


安川城は、またの名を「鬼ヶ城」「浅野谷城」ともいい、砺波市内では増山城跡に次ぐ規模を有する中世山城です。塩谷集落の南の丘陵に築かれ、尾根筋に曲輪が配され、堀切や竪堀を備えた山城です。

この城は、長らく「鬼ヶ城」と呼ばれていました。「鬼」とは黒田太左衛門尉のことで、般若野荘という中世に栄えた荘園の荘官(役人)を務めた人物です。
室町時代、般若野荘を治めていた京の公家・徳大寺実淳(さねあつ)が視察のために安川の薬勝寺に滞在し、太左衛門を荘官に任じます。しかし、のちに太左衛門は横暴を振るい、悪党を従えて城に立てこもりました。一族は城で滅亡したとも伝わります。

14世紀後半、般若野荘は領家方(徳大寺家)と地頭方によって下地中分(土地の折半)が行われます。これは荘園の不振や混乱があったことを物語ります。その過程で太左衛門には何らかの不満が生じ、意を決して荘園領主に反抗したのでしょう。

鬼とは「社会からの逸脱者や反抗者」のことを指すので、「鬼ヶ城」と呼ばれたのだと思われます。

基本データ

●別名 鬼ヶ城(おにがじょう)、浅野谷城(あさんたんじょう)

●規模 250m×250m

●和田川左岸の浅谷・塩谷集落の南にある城山(標高190.2m)に所在。砺波市内で最高所に位置する城。

●とやまのお城百選(平成21年3月)に選定

安川城跡再生プロジェクト

平成24年(2012)に栴檀山公民館さんが主催で「安川城跡再生プロジェクト」を行いました。これは地元の歴史遺産である安川城跡にスポットを当て、城の魅力に触れるために学習会・草刈り・散策会の3回シリーズを行ったものです。

2012年6月5日  安川城を学ぶ会(参加者50名)
             於:栴檀山集落センター
2012年6月23日 草刈りボランティア(参加者30名)
             於:東別所公民館、安川城
2012年7月8日  散策会(参加者60名)
             於:東別所公民館、安川城

安川城は山の手入れがなされていなかったが、草刈りボランティアや枝打ちのおかげで見違えるようになりました。また、栴檀山地区以外からの参加者があり、地元住民と交流しながら事業を進めることができました。これは地元には大きな刺激となりました。

この事業は栴檀山公民館が主導的に進めたので、各種の団体を巻き込むことに成功しました。散策会にはヘルスボランティアが血圧を測ったりして体調管理を行いました。下山してからは食生活改善推進委員の皆さんが特製の大門素麺とラッシーを振る舞いました。参加者は大変満足している様子でした。

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所在地
〒939-1438 砺波市安川字父倉

アクセス
国道359号・三合交差点から東別所方面に進み、山田建設の三叉路で塩谷集落に向かう。

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