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【ぶらり出町散歩シリーズ2】 2016.2.2
【2016.02.01Facebook記事より】

屋号

先日、大正・明治期の出町市街の活気のある様子を書いたところ、「出町には苗加屋という屋号の店が多かったと聞いた」とのコメントが寄せられました。はたしてそれは真実なのでしょうか?

現在、出町に屋号のある家がどのくらいあるか把握していませんが、おそらくかなり使われなくなっているのではないかと思い、古い資料を紐解くことにしました。そこでいつもの『出町の「あゆみ」』を見てみると、出町の屋号一覧がありました。

そこによると、「藩政時代苗字を称するのは士分は別として、十村役でも御扶持人に限られ、平十村は村名を冠したものである。まして町方一般のものは凡て屋号を以て呼ばれ、その屋号は殆んど出身地名を称したのである。分家でも亦本家と同じ屋号を呼称するから、屋号によって出身地を知ることができる訳である」とのこと。

ここでわかったことは、屋号=出身地ということです。

さて、『出町の-』には安政6年(1859)の屋号一覧が載っています。

ここで全部を掲載するのは無理なので、戸数の多い順にランキング形式で発表したいと思います。



【出町の屋号ランキング】


@苗加屋、鷹栖屋(20戸)
A高道屋(17戸)
B杉木屋(14戸)
C太郎丸屋、宮村屋、中神屋、小杉屋(7戸)
D神島屋、三谷屋、尾山屋(6戸)
E小幡屋(荒幡屋)、西部屋、中村屋(5戸)
F戸出屋、紺屋島屋(4戸)
G放寺屋、高木屋、若林屋、大門屋、井波屋、五郎丸屋(3戸)
苗加屋は鷹栖屋と並んで見事に1位。コメントに寄せられた情報は正しかったことがわかりました。鷹栖屋も多いですね。おそらく出町から近いので転入してくる家も多かったのでしょう。その傾向は高道屋、杉木屋なども同じです。5位に尾山屋という屋号がありますが、これは金沢の出身だそうです。6位の西部屋は高岡市西部金屋、8位の高木屋は高波の高木です。

こうやってみると、出町には出身地に由来した屋号がじつに多かったのがわかりますね。戸数は少ないのですが、新明屋・中條屋・日詰屋・石田屋・横越屋・高岡屋・石動屋・越前屋・京田屋・戸破屋・金澤屋などもあります。

出身地以外にも職種を示した屋号もあります。茶屋・塗師屋・梶屋・眞木屋などです。さて、現在はこれらの屋号がどのくらい残っているのでしょうか。出町にお住まいもしくは出身の方、ご自宅の屋号は何といいますか?

さて、せっかくなので今晩は若鶴の苗加屋で一杯といきましょうか。

そうです。若鶴創業の稲垣家の屋号は「苗加屋」。ご自宅の屋号を、自らのブランドの最上位酒に冠したわけですね。歴史を知ると、お酒の味もまた格別。酒の席でのウンチクも増えるというものです。では、今日はこのへんで失礼します。

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