静岡では、東海パルプ(株)の所有する山から下流の島田まで流送する仕事を依頼されました。中にはお茶やミカンの木箱用の木材を流送することをありました。
大井川の源流部を目指して9月頃に富山を出発しました。山梨県の身延(みのぶ)まで鉄道で行き、さらに奥地までバスを乗り継ぎ、山を徒歩で越えて静岡県に入りました。
流送に使う笹舟は、焼津(やいづ)の舟大工を連れて一緒に山に入り、山中にある木材で舟を造ってもらいました。出来上がると舟大工は先に下山しました。大井川の支流は急流で岩が多かったので鉄砲出しをしないと下流まで流れませんでした。 静岡の冬は寒く、大井川にスガ(流氷)ができた中を川下げしました。島田で陸揚げしますが、仕事が終わらないと、正月も富山に帰れませんでした。
【砺波郷土資料館『流送に生きた人々展示図録』平成26年より抜粋】
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