現在チューリップ公園がある場所は、以前は富山県立園芸試験場があり、果樹やチューリップなどの研究や品種改良が行われていました。
終戦後の昭和26年、GHQが富山県と新潟県の園芸試験場を統合して、すべて新潟へ移そうとしているという噂が流れました。富山県の主要作物であるチューリップ、その試験場が新潟に移転になったら、砺波のチューリップ栽培も販売も廃れてしまうかもしれない。不安を感じた人たちが集まり、話し合いをしました。
砺波に園芸試験場があってこそのチューリップ。もっと「砺波のチューリップ」をアピールしよう!という話し合いの中、「品評会を開催しよう」という案が出て一同大賛成。では、名前は?― 今はチューリップ存亡の危機。「チューリップ祭り」などという優しいものではない。それでは、“農作物の品評会”という意味の“フェア”は、どうか? 「チューリップフェア」、響きが良い!ということで「チューリップフェア」に決まりました。
昭和26年5月、富山市からジープに乗ってチューリップフェアに訪れたアメリカ人の将校たちは、研究用の畑に咲き誇るチューリップを見て、感激しました。
このTulip Fairの大成功によって、園芸試験場の移転の話はなくなりました。
その翌年の昭和27年4月29日、東砺波郡出町、庄下村、五鹿屋村、中野村、油田村、林村の1町5村が合併してできた砺波町誕生の祝賀イベントとして第1回のチューリップフェアが開催されました。各町村から選ばれた女性たちがミス・チューリップとして花車に乗ってチューリップフェアを宣伝してまわりました。
その後昭和29年に砺波市が誕生、チューリップフェアは砺波市の春の風物詩として日本全国に知れ渡るイベントとして現在まで続いています。
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