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藤森兼明(ふじもり かねあき) 2019.6.20
日本洋画壇を代表する画家

藤森 兼明

藤森兼明 ふじもりかねあき
 昭和10年(1935)に現在の砺波市庄川町で生まれ、金沢美術工芸大学在学中より日展、光風会展に入選を果たすことで、早くも頭角を現すが、家庭の事情により卒業後は名古屋の商社に入社し約5年間、アメリカに派遣される。10年間、苦難の時代を経るが、画壇に復帰を果たして以降、日展、光風会展を主な発表の場として活躍してきた、国内洋画壇を代表する画家である。
日本藝術院会員、日展副理事長、光風会副理事長。

略歴
昭和10年 砺波市庄川町青島に生まれる
  29年 高岡工芸高校卒業
      金沢美術工芸大学油絵科に入学
  31年 第12回日展「庭先」で初入選
  32年 第43回光風会展「T君の像」で初入選
  33年 金沢美術工芸大学卒業
  34年 工芸会社に入社。38年までアメリカに滞在
  55年 第12回改組日展「画室にて」で特選
  59年 第16回改組日展「僧院の午後」で特選
平成 3年 第77回光風会展「ビザンチンの光」でつばき賞(評議員賞)
   8年 第82回光風会展「イスタンブール青のオマージュ」で辻永記念賞
  11年 第85回記念光風会展「パトモスの黙示」で田村一男記念賞
  13年 第33回改組日展「アドレーション パンタナサ」で会員賞
  16年 光風会理事に就任、日展評議員に就任
      第36回改組日展「アドレーション デミトリオス」で内閣総理大臣賞
  20年 「アドレーション サンビターレ」で第64回日本芸術院賞
      日展理事に就任
      日本芸術院会員に就任
  21年 光風会常務理事に就任、日展常務理事に就任
  24年 北日本新聞『田園発』連載開始
  26年 富山県立近代美術館にて「祈りの美 藤森兼明展」開催
      西田美術館にて『田園発』挿絵原画展 開催
      砺波市美術館にて「藤森兼明のデッサン」展 開催
  28年 砺波市美術館にて『田園発』挿絵原画展 開催
  29年 古川美術館にて「藤森兼明 人を魅せる技展」開催
  30年 庄川美術館にて「藤森兼明展 果てなき祈りの旅」開催

「レクイエム(Requiem)」とは死者の安息を神に願うカトリック教会のミサ、そのミサで用いられる鎮魂曲のことです。前年に師である高光一也が亡くなり、最後の高光スタイルを意識して描いた作品です。
第44回改組日展出品作。「サンティ ピエトロ エ パオロ」は聖ペテロと聖パウロのことです。正教会ではピエトロ(ペトロ)とパウロを「首座使徒」と呼び崇敬します。本作はシチリア島のノルマン・シチリア王朝期に造られたビザンチン調の聖堂で、礼拝堂の金地モザイクに取材した作品です。

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