神社や寺院には大木・古木・名木が多い。殊に、その土地の守護神を祀った神社を囲む社叢は、「鎮守の森」として人々が大切に守り育ててきた樹林である。第二次世界大戦終了間際、散村の農家の屋敷林や寺院の境内の大木は供出材として殆どが伐採されたが、神社の社叢だけは伐採されることはなかった。聖なる森林の信仰に基づいて伐採は原則として禁じられてきたのである。二次林に植林された樹木が加わった樹林であるが鬱蒼と茂り、自然植生に近い姿を残している社叢もみられる。
スギを主体とする社叢が多いが、比較的多くの樹種で構成され、高木層としてスギ・アスナロ・ヒノキ・サワラ・モミ・アカマツ・クロマツなどの針葉樹、ウラジロガシ・ッシラカシ・ツクバネガシ・スダジイ・シロダモなどの常緑広葉樹、ケヤキ・エノキ・ナラ・ブナ・ホウノキ・ハクウンボク・イチョウ・ウワミズザクラなどの落葉広葉樹がある。亜高木層としてソヨゴ・ヤブツバキ・サカキ・モチなどの常緑広葉樹、エゴノキ・イロハカエデ・コシアブラ・ヤマボウシ・ハゼなどの落葉広葉樹がある。低木層としては。ヒサカキ・ヒメアオキ・ハイイヌツゲ・サンショウなどがみられる。また、林床にはヤブコウジ・オウレン・チゴユリなどのみられる社叢もあり、発芽したばかりのスギ・アカマツ・エノキ・イイギリ・カシ類など幼木がみられるなど自然植生の継承存続に大きな役割をはたしている。
スギ・ケヤキなどの大木は、御神木として「注連縄(しめなわ)」が張られていることが多い。それらは、神社を中心に形成された地域共同体のシンボルとしてきた樹々である。
近年、農家の屋敷林と同様、神社や寺院の樹木にも衰退がみられる。その中で、選ばれた樹林はいずれも、地域の緑の環境として、あるいは歴史的環境として大切な森である。
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