福山窯跡
2014.11.27
古代の陶工たちの息づかいが聞こえる
福山窯跡
平成23・1・26登録
福山自治会(砺波市福山)
須恵器という焼き物をご存知でしょうか。中学校社会科の教科書に登場するこの焼き物は、古墳時代に朝鮮半島から日本にもたらされた、硬質の土器です。
砺波市内には須恵器の窯跡が19基みつかっており、今回ご紹介する福山窯跡もその代表格。芹谷野段丘南端近くの福山地内にあり、昭和37年に発掘が行われました。発掘によって全長12mの窯体や、「窖窯」というトンネル構造が明らかになりました。遺物は9世紀前半のもので、食膳、貯蔵、祭祀などに使われたものが多量に出土しました。中でも瓦塔というミニチュアの塔や土馬の他、仏具を模倣したものなど、遺物のバラエティーは極めて豊かです。
窯の操業時期は、東大寺の荘園が成立した時期と同じ。千年以上前に三助焼きルーツともいうべき焼き物が作られていたのでした。