正倉日記

 

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国が認めた砺波の民具6900点

2017.10.24

砺波の日常生活を垣間見る!

第41回郷土先人展ポスター

第41回郷土先人展ポスター

今年3月3日、砺波郷土資料館の所蔵民具資料の内、6900点が国の重要有形民俗文化財に指定されました。
H19年に砺波市の文化財に指定されていましたが、この度、砺波の宝から国の宝に昇格しました。
そこで、なぜ、資料館で集めた民具が文化庁の方々が国の宝にしたいと思ったのか、いったい民具って何なのかを紹介します。     

50年前、高度成長期真っ只中、砺波でも生活がガラリと変化しました。
昔は一つのものを何代にも大切に使用し、壊れても修理 しましたが、高度成長期には大量生産品を購入し、電化製品や機械にシフト 

農業ではガソリンで動く耕うん機、台所では炊飯器や冷蔵庫など。三種の神器と呼ばれる白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫が各家庭で揃えられました。

そうなると、買い替えて不要になったものは次々と捨てられる運命になりました。
昨年お亡くなりなった、民俗学者佐伯安一先生は、昭和42年、太田小学校のPTA役員をしていた時、捨てられる現状を止めたいと声掛けをして、太田小学校の空き教室で保管しました。これが収集の第一歩です。
昭和58年、郷土資料館が開館すると収集をバトンタッチ、そうして集めた民具が文化庁の方の目にとまったのです。

農具コレクション! コメ作り道具

農具コレクション! コメ作り道具

文化庁の視点 評価のポイント5   

@収集範囲を旧砺波郡域にまで広げ、砺波地方の生活・生産用具を網羅的(もうらてき)に収集

砺波地方のあらゆる民具を収集したことで砺波で暮らす人々の日常生活全体がわかる。

A同種類のモノを数多く収集 (スキ・中耕除草機・唐箕など)

重複して所有することをいとわず、同じ民具を多く収集することによって、比較して見たり、改造や改良部分、進化の変遷などを知ることができる。砺波地方で多く使われたということは、生活に密着していた民具であったということ。

B砺波地域で独自に発明されたり、改良された農具を収集 

砺波地方の人々は米を作ることに命を懸けていました。 重労働を少しでも軽くするため、新しく道具を発明し、効率よく作業できるよう道具に改良を加えました。

C生業の農業だけではなく副業の民具も収集

砺波地方は稲作中心でしたが、副業としての商売や仕事を組み合わせて生計を立てていました。収集民具から、チューリップ球根栽培、樹木の伐採、機織りなどをしていたことがわかる。

D砺波地方は東日本型と西日本型の文化が混在する、東西文化の交流地点

日本列島の中間あたりに位置する砺波は、東西両方の文化の交流地点で、同じ種類の民具でも、東日本型と西日本型の両方とも使われていました。 

ということで、収集したものを見ると、今では失われつつある砺波らしい人々の日常の暮らしが見えてくる 

今、スーパーやホームセンターなどでは全国共通の大量生産の既製品が販売されていますが、昔はみな手作り、 オーダーメイド。職人さん「こんな感じのもの」と注文する時に、自分の背丈や用途に合わせて作成します。同じようなものでも違いが出てくるのです。

 

無料体験 布ぞうり 手のひらサイズの可愛いぞうりです

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ということで、第41回郷土先人展「民具が語る砺波のくらし−6900点が国の文化財に−」は11月26日(日)まで砺波郷土資料館で行っています。毎週月曜日と第三日曜日はお休みです。期間中の祝日は開いています。

あわせて、10月29日(日)に民具デーと民具に関する発表<砺波散村地域研究所 例会>を開催します。
民具デーは民具体験や布ゾウリの無料体験もあります。
例会では、文化庁の担当者の記念講演などがあります。
いずれも庄東小学校で、3Fでは民具デー9時〜5時、2Fのランチルームでは例会1時半〜5時です。
この機会に砺波の民具から砺波のくらしを感じてみましょう!

所在地
〒939-1382
 砺波市花園町1-78

お問い合わせ

砺波郷土資料館
TEL: 0763-32-2339
FAX: 0763-32-2436