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庄川町青島(上村)の獅子舞

2017.1.27

庄川町青島(上村)

青島(上村)

青島(上村)

祭日:3月第2土曜日、9月第2土曜日
場所:青島神明宮
団体名:青島上村青年信義会

砺波獅子。胴幕の中には通常7人入るが、人数が変わることもある。頭は6.5kg。
上・下村に二つの獅子舞が伝承されているが、いずれも女獅子といわれる。

青島は庄川扇頂部にあたる谷口集落で、上村と下村に分かれる。上村は金屋とともに庄川町の市街地を形成し、下村は農村地帯である。上・下村で青島神明宮を祀り、春秋の祭りに獅子舞を行う。
「とやまの文化財百選」に選ばれている。

現在上村には約400戸あり、秋の祭礼では1日ですべてまわる。その地区にある小さい宮などもすべてまわるので、かなりの軒数。(昔は周辺の企業もまわったが、秋は軒数が多すぎるため春のみとしている。)一方、春の祭礼では宮で行われる、還暦・厄年会のためのお祓いに獅子舞が奉納され、加えて周辺の企業もまわる。企業は約40軒。

練習は中之島公民館で行われており、本番用の獅子頭を使う。上村は2つの獅子頭を使いまわすが、主として使うのは、一番新しくて軽い方(昭和59年から使われている)。会長の家で保管される。もう一つの重い方は副会長の家。(まわる軒数が多いので、軽い方でないと疲れてしまう。)
上村にはあと3つ公民館があり、将来的には3年ごとに練習する公民館をローテーションできないか検討中である。(練習場所が偏ると地域によって獅子舞への温度差が出てしまうので、伝承していくためにも村の人たちに愛されて皆に受け入れられる体制を。)

青島(上村)

青島(上村)

昭和26年8月19日に青島村長水上興吉が信義会創立50周年記念式に寄せて書いた祝辞があり、それによると、”信義会は明治45年に青島村消防組にドイツ製腕力ポンプの寄贈・信義会の会館を公民館として開放・公共教育の道場として講座や講演会の開催・図書館・・など当時の社会教育の先端を行っていた”とある。
さらに、「将来の観光地青島」を展望して、庄川堤防に桜の苗木を植えて手入れをしたり、獅子舞やいろいろな文化行事に貢献したりなど、100年以上も青島村の社会教育を担ってきた歴史のある団体であることがわかった。
そして獅子舞については、その頃からの総まわし(各家を全部まわること)の形式は今でも変わっておらず、今までに休止したこともない。
昔は各家から200円の会費を集め、それを地域のあらゆる場所で有効に活用していたと思われる。

●青島地区、昭和60年頃の獅子舞
秋祭り(9月10日・11日)に行われた。
青島神明宮(神主井波町綿貫)の秋の祭礼で、この祭りには親せき・知人・友人との呼び合いがあり、盛大であった。9日の夜は徹夜で若い衆が太鼓をたたいた。上村の信儀、下村の至誠会が主となって獅子舞が奉納される。
初参りは午前10時頃で、二頭が揃って境内に集まり奉納の舞いをした。その後、地区の全戸を回って獅子舞をして祝儀をもらう。
獅子の宿は村のオヤッサマの家が当てられた。昼食や夕食なども村の主だったオオヤケの家で酒宴のもてなしを受けた。
11日は裏祭りで、前日残った家を獅子舞が訪れた。
婿や嫁をもらった家では特別に祝儀を包んだり、酒を振舞ったりした。
獅子舞練習は約1ヵ月前から行われ、小学生の獅子とりの稽古・大人の獅子頭の振り方・笛や太鼓などの稽古に元の会長さん方の年寄りも顔を出して熱心に指導した。練習場は昔はオヤッサマの納屋などでしたが、後に上村に青年会館ができてそこで練習した。下村は勧帰寺で練習した。(『くらしのさまざま 庄川町の年中行事』青島地区より)

青島(上村)

青島(上村)

春の順路:11:00公民館にて準備→12:30出発→宮へ奉納→各企業をまわる→15:00神事に合わせて宮で奉納(下村の奉納の前)→各企業をまわる→18:00頃終了。(終了場所は毎年違い、2014年は特別に観光客のために三楽園で舞い、終了した。)

秋の順路:6:30公民館にて準備→8:00出発→宮へ奉納→各家&慶事の家をまわる→15:00神事に合わせて宮で奉納(下村の奉納の前)→各家&慶事の家&各場所にある小さい宮をまわる→23:00頃公民館で終了。(できれば21:00頃に終わって、子供達も楽しみにしている銭湯へ連れて行きたいのだが、いつも遅くなって連れて行けないのだとか。)

宮に見に行く最適な時間帯・・・15時

舞の種類
ミヤマイリ(道中)・サンパイ・サンピス(三拍子)・ココノツ・ムッツ・ケン(刀)・カマ・ナギナタ・ボウ・カサ
(舞う場所や、秋・春などでも舞う演目は違ってくる。慶事の家では曲が長め。)

採り物はランクがあり、ケン→カマ→ナギナタ→ボウの順。ケンは小さな男の子が担当し、ボウまでになると大きな男の子が担当する。すべてシシトリは2人で舞う。
カサは大人の男性がすることもある。

信義会の会員になる若者は、誰かが選ぶのではなく、やる気のある者が立候補するような形(会長は厄年の次の人)。中でも獅子の胴幕に入るのは、練習も休まずやる気があって上手な者がやることが多い。これは実際に舞う若者たち自身で決めており、誰かが仕切ったりしないことで若者が参加しやすく、誰でも関われる環境をつくっている。

  • 青島 神明宮

  • 青島 神明宮

    獅子頭が保管してある箱