シナンタロー
2016.8.30
なーん死なんがいぜ!!
シナンタロー
梅、杏、柿などに発生する毒針を持った害虫。イラガ。
田んぼと自然に囲まれた砺波地方には「トトバシ」のように生き物に関する方言も数多くありますが、この「シナンタロー」はイラガという害虫のことを言います。幼虫の毒トゲに触れると「電気が走る」と言われています。以前に母が柿の木のイラガと闘ってきたときには腕を腫らしながら「さすがシナンタロー!なかなか死なんだ(死ななかった)」と言っていましたが、母も父方の祖母から聞くまではこの方言を知らなかったそうです。昔、まだ赤ん坊だった私に、母が黄緑色で少し大きめの服を着せて実家へ行ったところ、祖母がこう言ってきたそうです。
“あっら〜!○○ちゃんなんけこの服〜!『シナンタロー』みたいや!!!”
【あら〜!○○ちゃん、なんだいこの服は〜!イラガみたいだね!!!】
母が『シナンタロー』の意味を尋ねると、
“『シナンタロー』っちゃ柿の木やらにひっつく害虫ながいぜ!!!なーん死なんがいぜ!!!”
【イラガって柿の木とかにくっつく害虫なんだよ!!!ぜんぜん死なないんだよ!!!】
と言ってくる祖母。それ以来、我が家でもイラガのことを「シナンタロー」と呼ぶようになりました。孫を害虫呼ばわりする祖母も祖母ですが、なかなか死なないから「シナンタロー」っていう方言もなかなか安直で愉快ですよね。
柿の木のシナンタローにご用心!