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林 清納(はやし きよの)

2018.10.9

郷土砺波市を中心に日本全国はもとより海外まで活躍の場を広げる林氏

林 清納

林 清納

1936年、富山県砺波市柳瀬に生まれる。庄西中学在学中に黒田信一に油絵の手ほどきを受け、15歳にして、県展で初入選を果たす。砺波高等学校時代に川辺外治、金沢美術工芸大学時代に高光一也と、素晴らしい師に恵まれ、実力を伸ばす。大学在学中に創元展で最高賞を受け、25歳で創元会会員となるなど、若い時から注目されてきた。29歳の時に在外研修員として、1年間西欧、北欧、エジプト、インドに滞在したことがきっかけとなり、ポルトガル、スペイン、インドへ旅行・取材して、東洋的なムードを漂わせた女性像を連作してきた。1973年から12年手がけた、ポルトガルの漁村に生きる女性たちを描いた「ナザレの女シリーズ」、そして1984年から現在に至るまで描き続ける「インドの女シリーズ」が代表作となっている。

 1978年に発表された「ナザレの女」は、ポルトガルの漁民に取材し、そこに生きる女たちをテーマにしたものである。貧しさゆえ、海の荒れた日にも漁に出るため、遭難者が相次ぐ。海に出たまま行方の知れない夫や恋人の帰りを待つ女たちのイメージの連作に続いて、帰らぬ男たちの後を追い、殉じた女たちの「海に祈る」、女たちの魂が昇天して星座になる「星空の下で」と作品は展開された。対照的に「インドの女」シリーズは女たちの不変の生がテーマになっている。鮮やかな色彩、重層的な連なりの中に黙々と生きるインドの女たちが日々の暮らしを伝える風俗とともに描かれている。大地に根を下ろすように、静かにただ生きる、インドの女性たちの世界は、生への最大級の賛美であり、厳しい自戒でもある。こうした諸々の思索を混在させながら、厳しく、烈しくさえある反問のうえに成り立った表現が、林清納の絵画の魅力である。


作家画歴
1936年 富山県砺波市柳瀬に生まれる。
1958年 創元展《セーターの女》初入選。
1960年 金沢美術工芸大学油彩科卒業
     安井賞候補新人展《虚》初入選。
     高岡第一高等学校教諭となる。
1961年 創元会会員となる。
1965年 在外研修員として一年欧遊。
1967年 第2回昭和会展招待。 
1973年 第3回新鋭展招待。
     現代洋画の流れを展望する100人展招待。
1979年 日本秀作美術展招待。
1982年 富山県文化功労賞受賞。
1988年 現代の人物画・精鋭秀作展招待。
1996年 地域文化功労者文部大臣表彰。
2001年 第2回北日本美術大賞展招待《鎮魂歌》大賞。
2002年 「郷土作家シリーズ6 林清納展」(砺波市美術館)
2005年 富山を描く120景展招待。

インドの女 悠E 1990年
インドの女 悠E 1990年

インドの女 悠E 1990年

インドの女 悠F 1990年
インドの女 悠F 1990年

インドの女 悠F 1990年