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散居村(散村)とは

2013.3.20

農家の屋敷が密集せず、散在する村落のこと

砺波平野の散居村(散村)

砺波平野の散居村(散村)

富山県の西部に位置する砺波平野は、庄川と小矢部川がつくった約220kuの広さを持つ扇状地性の平野です。そこに屋敷林に囲まれた約1万戸の農家が点在して散居村(散村)景観をつくっています。

 砺波平野の散居村の特徴のひとつは、それぞれの農家が自分のまわりの農地を耕作して稲作を行ってきたということにあります。農地が自分の家のまわりにあることは、田植え後の朝夕の水の見回りや、肥料・農薬散布などの管理、刈り取ったあとの稲の運搬など、日常の農作業をするのにとても効率の良いことでした。

自給自足の生活
5月の夕暮れ

5月の夕暮れ

砺波平野の散居村の特徴のふたつめは、それぞれの家の周りに屋敷林をめぐらせてきたことです。この屋敷林のことを「カイニョ」または「カイナ」 といいます。屋敷林は冬の冷たい季節風や吹雪、春先の強い南風などから家を守ってくれました。スギの落ち葉や枝木などは毎日の炊事や風呂焚きの大切な燃料 として利用されてきました。また、屋敷林をつくっている主要なスギやケヤキ、タケなどは家を新築・改築する際の建材や様々な道具をつくる用材としても利用 されてきました。

 このように散居村の農家の人々は、自分の住まいのまわりの農地を耕して米や野菜を作って生活の糧とし、日常生活に必要な資材を屋敷林から調達するという、きわめて自給自足に近い生活を行ってきたのです。
 
 散居村という集落形態は、砺波平野で暮らした先人たちが、自然に働きかけて自然を改変し、自然との共生を図ってきた知恵の結晶ともいえるのです。