木造勢至菩薩坐像(もくぞうせいしぼさつざぞう)
昭和40年7月24日・市指定
砺波市苗加
木造勢至菩薩坐像は、木造寄木(よせぎ)づくりで仏体の高さ28cm、須弥壇(しゅみだん)(仏像や厨子を安置する壇)の高さ30cm。舟形光背(ふながたこうはい)(光背は仏が発する光を表したもので、舟形光景はその形が舟に似ていることからいう)があり、仏頭に繊細な金色の宝冠を戴き、両扉の厨子(ずし)(仏像・舎利・経巻などを安置する戸棚形の仏具。扉が両開きで、漆や箔(はく)を施したものが多い)に安置されています。
作者年代ともに不明で、容姿端正で衣文(えもん)の彫り込みが深く布襞(ひだ)の起伏を宋朝風に激しく表現していることから、室町時代以前の作と推定されています。宝冠などの荘厳具は後補されました。
厨子背面に「三王宮本地勢至仏厨子越中国砺波郡野尻荘苗加村氏神苗鹿大明神什物享保一二丁未八月吉祥日河辺正房敬白」と記されており、「紙本妙法蓮華経巻子」(市指定)と共に河辺正房が大阪天王寺より伝えたものです。
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