隠尾八幡宮の社叢(かくりょうはちまんぐうのしゃそう)
昭和62年3月30日・市指定
砺波市庄川町隠尾
隠尾八幡宮の社殿奥、小高い土塁上に成立する4本の大スギがあります。御神木として祀られてきたものと推察されています。
左側の一本は目周り5.4mで最も太く、その横に目周り2.5m、樹高6.0mでほとんど枯れたものが立ち、真中に大石が安置され(幅0.9m、高さ1.5m)、右法面側に目周り4.3m、その内側の拝殿側に目周り4.6mの大スギが成立しています。このスギの樹勢は一番旺盛時で樹高約32m、樹冠12m(半径)。
4本の樹齢は400年〜500年と推定され、一対となった樹冠で大スギの威容を誇っています。
スギの成立する土饅頭(どまんじゅう)状の形状は、長慶天皇(第98代南北朝時代)の御陵地との説もあり、隠尾地区の歴史の古さがうかがえます。
また、境内には、目周り2.0m以上のスギ13本を中心に、アスナロ、カエデ、イチョウ、ナツツバキ等の高木層を、ミズナラ、カシ、カエデ、ケヤキが支え、低木にヒサカキ、カエデ、カシが入って安定した社叢(しゃそう)(社寺林のこと)を作っています。その境内を包む裏手法面には、ムラサキシキブ、カヤ、ヒメアオキ、イヌツゲ、ミヤマガマズミ、チシマザサ、等が繁茂し、下草には、ヤブコウジ、カタクリ、ミヤマナルコユリ等の深山性の草木も入り、社叢全体が、健全な自然林として古くからの貴重な植生を今に残す宝庫となっています。
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