木造地蔵菩薩立像(もくぞうじぞうぼさつりつぞう)
昭和49年7月12日・市指定
砺波市太田
萬福寺の木造地蔵菩薩立像は、頭を丸めた僧形像で、額に水晶の白毫(びゃくごう)(仏の眉間(みけん)にあるという白い巻き毛。仏像では玉をはめ込んでこれを表す)をはめ、左手に宝珠(ほうじゅ)、右手に錫杖(しゃくじょう)(僧・修験者の持つ杖。僧が常に持っている一八の法具の一つ)を持ち蓮華座に立つ最も多く見られる形の地蔵像です。檜(ひのき)の一木造りで、高さ63cm、保存状態も良好です。
作者は不詳ですが、かなり儀軌(ぎき)(密教で、仏・菩薩・諸天神などを供養したり、念誦(ねんじゆ)をする時の儀式規則)の教養を持つ地方仏師の作と思われ、端正で均整のとれた像容、張りのある肩先、滑らかな仕上がりなどから室町時代初期の製作と推定されます。
萬福寺は当初、天平年間千光寺第二世智徳上人の開基ともいわれる真言宗の寺院で、もと芹谷野萬福山にありました。中世には増山城主神保氏の尊崇を受けましたが、天正年間上杉氏侵攻の際兵火にあったと伝えられ、その後慶長5年(1600)慶遍法印により現在の場所に再建されました。
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