御旅屋の井戸(おたやのいど)
昭和50年2月17日・市指定
砺波市本町
この井戸は、寛文4年(1664)5月、加賀藩主前田綱紀(まえだつなのり)が当地へ鷹狩りした際に、中神村肝煎義右衛門が御休息のための御旅屋(おたや)建設と共に、御膳水用として掘ったものです。慶安2年(1649)杉木新町の町立以来、初めてのもので、深さは、地表から18.2m。
付近一帯は地下水位が低く、地盤が崩れ易い扇状地礫層で井戸掘削が困難であるため、飲料水には豊富な河川水が利用されていました。その後幕末から明治27年までに10本の井戸が掘られましたがいずれも公署か公衆用で、御旅屋の井戸をはじめとするこれらの井戸は、町民の飲料水として利用され、特に伝染病の発生時には、貴重な飲み水としての役割を果たしてきました。大正12年には北陸地方で最初の出町上水道が開通しましたが、昭和20年代までこの井戸を愛用する人が多く、庄川扇状地に生活する人々と水の関係を考える上で貴重な史跡です。
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