正倉日記

 

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福山窯跡

2021.11.26

福山窯跡

■福山窯跡・砺波市福山

この窯は、山の斜面を利用した登り窯で奈良時代から平安時代初期に利用され、庄川右岸地域に比定される東大寺墾田地と強い関わりをもちながら操業したとみられる。
窯の全長12メートル、焚口の長さ1.6メートル、傾斜約35度。早くから須恵器とともに瓦塔(がとう)が出土したことで注目されてきた。

昭和15年 最初の瓦塔を発見
昭和24年 般若中学校科学班による試掘調査で土鈴が出土
昭和33年 砺波高校地歴部で試掘調査
昭和37年 砺波市史編纂委員会による発掘調査

37年の発掘では炭原及び窯体が検出され、多くの須恵器とともに新たな瓦塔も出土している。さらに翌年には楢崎彰一氏の現地踏査で窯体や出土品について指導を受けるなど、富山県下では最初に発掘調査された須恵器窯跡であることに加え、当時の第一線の研究者の来訪など学史的にも名高い遺跡である。

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瓦塔…奈良・平安時代を中心として造られた粘土焼成による塔。
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ちなみに、多数の出土品のうち五重の塔の模型である瓦塔(がとう)の部分三点、屋蓋(おくがい)部一点、軸部一点、水煙部一点、土馬(どま)部分一点、陶硯(とうけん)部一点は福山須恵器窯跡出土品として昭和43年7月に砺波市指定文化財になっている。

【2011年8月05日18:11『ふるさと学芸員の小窓』より】