ちょっと気になるアレはなに?シリーズ1
2016.1.29
【2016.01.28Facebook記事より】
毘沙門堂
毘沙門堂
砺波市秋元から北に進むと、高岡市に入ってすぐ左手に毘沙門堂という建物が見えてきます。え?高岡市のお堂だから砺波市に関係ないって?チッチッチ。違うんだな〜、それが。
このお堂はもともと【北般若の毘沙門杉】という立派な杉がそびえていた場所です。
では、なぜ砺波と関係があるかという話をしましょう。奈良時代に東大寺の荘園が3つ(石粟荘、伊加流伎野荘、井山荘)ができましたが、平安時代末期には衰退し、その代わりに鎌倉時代にそれらの荘園を包括する形で【般若野荘】という大荘園ができました。ちなみにその荘園の持ち主(領主)は京の公家である徳大寺家です。都の超セレブがオーナーとなっていて、その徳大寺家が最重要視していたのが般若野荘なのです。
毘沙門杉はその般若野荘の北端に位置していました。いわば荘園の荘域を知るためのランドマークですね。なので、高岡に向かって毘沙門堂を通り過ぎる時、砺波市民は「サヨウナラ、般若野荘〜!」と心の中でつぶやきましょう。
この毘沙門杉は国の天然記念物にもなっていましたが、残念なことに昭和54年の台風で倒れてしまいます。それを悲しんだ地元の方々が樹根を防腐加工し、記念堂を作りました。それが毘沙門堂なのです。