正倉日記

 

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開山忌に行ってきました

2021.12.11

開山忌に行ってきました

木造桂岩運芳倚坐像

木造桂岩運芳倚坐像

先日は大般若会についてお伝えしましたが、今日は同日の午前中に行われた開山忌についてお伝えします。


開山忌は、薬勝寺の招請開山僧である桂岩運芳師の法要です。この桂岩運芳師の頂相は砺波市の指定文化財になっています。この像は「木造桂岩運芳倚坐像」といい、南北朝期末〜室町時代初めの制作です。運芳師は招請開山であるため、開創当時はこの地を訪れてはいないとのこと。招請のシンボルとして請来したのがこの像なのだそうです。
 
 さて、この開山忌には薬勝寺が属する臨済宗国泰寺派の管長様が来られます。真ん中にいらっしゃるのがその方なのですが、毎年管長様がいらっしゃるのは、塔頭寺院以外ではこの薬勝寺だけなのだそうです。


開山忌1

開山忌1

法要の始まりは鐘の音と虚無僧の尺八です。本堂に尺八が響く中、管長を含め僧侶の方々で出ていらっしゃいます。
 私はお寺で行われる法要に出席したのが初めてだったのですが、13人で行う読経は迫力があり、荘厳な感じがしました。ちなみに読んでいるお経は「楞嚴呪」(りょうごんしゅ)というもの。「呪」は呪文という意味だそうですよ。表記は漢字ですが、言葉はインドの言葉ということで、聞き取れる箇所が全くありませんでした(^^; (当たり前ですね・・・)


開山忌2

開山忌2

本堂には60人くらいの方々が集まっていた他、台所にもお食事の準備などをしている方も。準備や片付けなどは檀家信徒の皆さんがお手伝いをされるそうなのですが、安川地域を中心に高岡周辺からもいらっしゃるとのこと。檀家さんは旧般若野荘内に分布しているそうです。
 南北朝時代に開山した薬勝寺が、平安時代末に成立した般若野荘の歴史のすべてを見てきたというのは少々乱暴かとは思います。ですが、現代に至るまで荘内の人々や地域の皆さんの拠所として存在してきたのでしょうね。
 初めてのお寺の法要で、荘厳で厳粛な雰囲気を感じてきた一日でした。


【2012年06月18日12:06 「ふるさと学芸員の小窓」より】