米作りが基盤
2013.3.20
散居村の基盤は、水田耕作にあり
米作りの様子
砺波平野では、豊富な水量を誇る庄川のおかげで、平野全体で水田耕作が行われています。どこでも必要な水がひけるだけの用水路網が整備されているからです。
砺波平野の農家一戸が耕作する農地の平均規模は約1ha(ヘクタール)ですが、かつては家族みんなで協力し合って、この広さの水田で米作りを行なってきました。
その際もっとも重要なことは水の管理でした。朝夕に田んぼを見回り、天候や稲の成長を考えて水を調節すると質の良い米がたくさん収穫できます。肥料をま いたり、刈り取った稲を雨が降る前にすばやく取り込んだりするのにも、家の周りに田んぼがあるのは効率的でした。散居村は常に田んぼを観察し、きめ細かく 世話ができるように工夫した先人の知恵だったのです。
かつての米作りではニシンやイワシ・油粕など、お金をだして購入した肥料も使われましたが、雑草やワラを腐らせた堆肥、人や牛馬の糞、ワラ灰や木炭な ど、自給できる肥料が多く使われました。米や野菜などの作物は、手元にあるものを最大限に利用することによって作られてきたのです。