発刊にあたって・はじめに
2014.12.2
発刊にあたって
砺波市長 岡部昇栄
砺波市は緑豊かな自然に恵まれ、庄川の清流、美しい山々、色とりどりのチューリップ畑、屋敷林に包まれた樹居が点在するなど、固有の景観を有しています。この美しい景観は先人から受け継いだ貴重な資産であり、私たちに心のよりどころと安らぎを与えてくれるものであります。
当市ではこの 美しい景観を守り育て、さらに花と緑に包まれた個性的で快適な生活環境を創造し、次代に引き継いでいくため平成5年に「花と緑のまちづくり条例」を制定しました。
この条例に基づき平成5年度から保存樹等の指定を始め、平成7年度までに保存樹木130本、保存樹木として、社寺林15ヵ所、屋敷林26ヵ所、生け垣10ヵ所を指定してきました。
このたび、緑の重要さを再確認し貴重な散居村とその緑を行政と市民が一体となって維持保全することの大切さを継承発展する機会と考え、指定した保存樹等をまとめた冊子「散居のみどり」を発刊することにいたしました。
この冊子の刊行にあたりご指導とご協力を賜りました保存樹等指定委員並びに所有者及び管理者の皆様に衷心よりお礼申し上げます。
はじめに
砺波市保存樹等指定委員会
会長 松島 為雄
砺波平野の散居村は全国的にも知られ、地理・民俗学的にも貴重なものであり、市街地を除いて、そのほとんどの家屋の周囲には屋敷林があります。屋敷林は「カイニョ」と呼ばれ、杉・欅等の高木や、楓・椿等の中木が植えられており、薪炭材や雨風をしのぐ生活の知恵として、またゆとりある生活をたのしむ庭園樹として、今日まで受け継がれてきています。最近各方面から森林減少による地球環境の悪化が指摘されており、有限な資源を有効活用し、自然との調和の中で健康に生きていくことが大切であります。
砺波市では、平成5年に「花と緑のまちづくり条例」を制定され、この条例の保存樹等の指定基準に基づき、平成5年度から保存樹等の指定について当委員会に諮問がありました。当委員会で調査・検討のうえ、指定基準によるものと学術的及び歴史上貴重と認められるものを選定し、保存樹等として指定すべきものを答申してきたところであります。
この冊子「散居のみどり」を発刊する契機と選定にあたっての参考にしたものに「となみの樹たち」があります。これは平成2年度から3年間にわたり「婦人ボランティア講座」の緑再発見コースとして活動され、まとめられた大変な労作であり、関係者のご努力に衷心より敬意を表するものであります。
最後に、この冊子の刊行にあたり、献身的なご協力を賜りました各委員並びに所有者等関係者の皆様に心よりお礼申し上げるとともに、この冊子が有効に利用されることをきたいしております。
【砺波市保存樹等指定委員会『散居のみどり−砺波市の保存樹− 』平成9年より抜粋】