6-3砺波野の相撲の中心地 出町
2015.2.5
北陸の行司を統括した出町の行司 木村扇喜知(井澤與三吉)
(砺波市平成町 個人蔵)
行司 扇喜知 文久3年(1863)7月10日、金沢で理右衛門の長男として生まれる。
明治20年(1887)、金沢で行われた金沢・加賀・越中合併相撲で行司をつとめているのが当地方の行司としての初見である。東京大相撲で活躍していた鬼ヶ崎・柏木とともに、出町の谷川のもとへ居を移したという。
金沢を初めとして、砺波地方の広い範囲で行司をつとめた。彼の声の通りの良さには定評があったという。
残された免許状の写しなどから、扇喜知は、北陸相撲協会取締として北陸地方の行司に対する任命権があったと推察される。
大正4年(1915)9月24日53歳で死去した。
扇喜智の行司道具
(砺波市平成町 個人蔵)
扇喜智の出した行司免許 明治43年
(砺波市平成町 個人蔵)
扇喜知の肩書きに「本朝相撲司御行二拾参代吉田豊後守善門門人 北陸相撲協会行司取締役 木村扇喜知」とある。
【砺波市立砺波郷土資料館 第30回郷土先人展「砺波野の草相撲の力士たち」2007年より抜粋】
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扇喜智の羽織(砺波市平成町 個人蔵)
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行司扇喜智の記事(『加越能力士大鑑』)