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「砺波民具展示室」の記事

夏の終わりの「洗たくの歴史展」

2021.3.27

季節のミニ企画展 「洗たくの歴史」をご紹介します!

洗たくの道具を集めてみました

洗たくの道具を集めてみました

 

洗濯機が普及するのはだいたい昭和30年頃ですが、それよりも前の洗たくについて紹介しています。

家族全員の汚れ物を手で洗う洗たくは、とても労力のいる作業でした。洗たくだらいに水を入れ、洗たく板にこすりつけながら洗うやり方が一般的でした。洗たく板が登場する大正時代以前は、川で足ぶみ洗いをしたり、洗たくだらいの中で布を手でもみ洗いをして汚れを落としていました。

洗たく機が普及する昭和30年頃から粉せっけんが登場しますが、それ以前は固形せっけんを洗たく板にのせた汚れ物にこすりつけてゴシゴシ、ジャブジャブと洗っていました。

 固形せっけんは貴重品だったので、洗浄効果のあるねむの木の葉などをせっけんの代わりに使用しました。また、冷たい水よりも温かい水の方が汚れが落ちるので、たらいに水を入れ、日なたに置いて温かくしてから洗たくをしました。

 特に、戦中・戦後の物資が不足していた頃は、色々と知恵をしぼり、工夫をして洗たくをしていました。

   

 

 

 

 

着物の洗たく 「洗い張り」
浮世絵の洗い張り  勝川春章 「洗い張り」

浮世絵の洗い張り  勝川春章 「洗い張り」

当時の人々は着物を着ていたので、日常に着る着物は、そのまま洗いますが、良い着物やサイズを変える時などは、「洗い張り」という方法で、一度縫い目をほどいて反物に戻してから洗っていました。
洗い張りには、布の種類によって
@洗い張りの板に貼り付けて布をピンとさせる板張(いたば)りと、A伸子(しんし)を布の両端にわたして布をピンとさせる伸子張(ば)りがあります。日常に着る木綿(もめん)などは各家庭で板張りをしました。高級な絹や紬(つむぎ)には伸子張りが適しており、専門の店に任せる人もいました。

着物はほどくと反物にもどる!
着物は単純な長方形のパーツに分けられる

着物は単純な長方形のパーツに分けられる

反物に戻した布地は、再び着物に仕立てなおします。
日常の家事が終わった後、夜なべ仕事で家族全員の着物を仕立てました。昔は着物が縫えないと、嫁にいけないほど裁縫は女性にとって必須でした。
着物は、男性用・女性用・子供用、種類も単(ひとえ)・袷(あわせ)・綿入れとあり、布の裁ち方も縫い方も様々なので、小さい頃から母親から指導を受けて習得しました。



  • 洗剤として使った灰ー囲炉裏やかまどにいくらでもあった

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    ねむのき葉っぱを水の中でもんで石鹸としてつかった

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    着物は四角い布をつなぎ合わせただけの最高のアイデア&デザイン

所在地
〒939-1431
 富山県砺波市頼成566
アクセス
JR城端線 砺波駅より車で20分

お問い合わせ

砺波民具展示室
TEL: 080-1951-4177
FAX: 0763-32-2436