御上様塚
2014.8.18
森川栄次郎作の十一面観音が鎮座
御上様塚
平成23・1・26登録
西野々町内会(砺波市庄川町金屋西野々)
戦国時代、庄川町庄に壇(だんの)城(じょう)(庄(しょう)城(じょう))という城がありました。
史実の確証はありませんが、佐々成政がこの城を攻めた際、城主である神保安芸守の奥方は落城寸前に井波方面へ落ち延びようとしました。奥方が西野々の高台で振り返ると、城はまさに焼け落ちる寸前。奥方は落胆のあまり狂い死にしたという言い伝えがあります。
遺体は一時その地に埋められましたが、後に菩提寺へ引き取る際に、そこに髪を埋めて塚としました。これが「御上様塚」の発祥です。高岡市瑞龍寺の閑雲和尚はその非業の死を悼んで村人を説き、石碑を建てたそうです。
現在、塚の上には「罪福皆空無所住」と刻まれた石碑が一基と観音堂が建っています。堂内には明治の名石工森川栄次郎の銘のある十一面観音などが安置されています。
実際に塚からは壇城を望むことができます。奥方の心情を思いながら、この地を訪れてみてはいかがでしょうか。